猫と肉球建築士

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建築士ってなんだ?(小学生の「将来なりたい職業」ランキングを見た感想を書いたら長文になってしまいました)

2019年4月19日に、日本FP協会から
2018年小学生の「将来なりたい職業」
ランキングが発表されました。

 

今回発表された「なりたい職業」ランキングで、
「建築士」が上位にランクインしていたんですが、
肉球建築士として、一言いいですか?
(一言っていいながら2500文字以上の長文になってます)

 

この調査結果では「建築士」が男子の7位(29件)
女子の22位(14件)にランクインしていて
ほかにも「大工」、「エンジニア」、
「設計士」といった項目が
上位にランクインしていて

建築に携わることに対して
憧れを抱く子どもがいてくれることを
うれしく思います。

 

日本FP協会『将来なりたい職業』ランキングの
詳細は下記リンクよりご覧ください
小学生の「将来なりたい職業」集計結果 | 日本FP協会

 

うれしい反面、
なんだかモヤモヤするんですよね。

 

なんでモヤモヤしてしまうのかというと、
どうしても「建築士」というワードに
ひっかかるんですよ。

 

小学生はどんな仕事をイメージして作文に
「建築士」って書いたのかなぁ。
やっぱり建築の設計をしたいのかな?
っと思ってたら50位に「設計士」も
ランクインしてるよ!これはどういうこと?

 

実際に公表されている
入賞者の作品を読んでみると
「将来なにになりたいか」という問いに対して
「設計士」と答えた作品では
「建物の設計をしたい」って書いてあるよ?
これは「建築士」の仕事じゃないの?

 

はは~ん、なるほど、集計した人
仕事の内容は関係なく、
回答された職業の名称を
そのまま拾っていったんでしょ。

と推測したんですが、

そうなるともう一つの疑問が沸いてきました。

 

本当に小学生が
「建築士」という回答をしたのか?

っていうか「建築士」ってワード、
小学生は普通に理解してるものなの?

入賞作品には2つ
「建築家」と答えている作品があったけど、
「建築士」って答えてる作品は
一つも見当たらないよ?

ってことは、集計するときに「建築家」
「建築会社の人」とか「建物をつくる人」とかも
似たようなのぜんぶひっくるめて
「建築士」にまとめちゃったんじゃないの?

 

だとしたら何ゆえ「建築家」ではなくて
「建築士」という名称に統合したのよ?

「建築士」ってなんだかわかってやってるの?

 

なんか、熱くなってきました

ちょっと深呼吸

 

まあ、今回の集計を発表した日本FP教会の
趣旨はあくまで作文コンクールのPRなので、
職業ランキング自体はさほど重要ではなく
オマケ程度の扱いなんでしょうけどね。


私もランキングがきっかけで
入賞した作品を読ませてもらいましたけど、
小学生の純粋な志(こころざし)に
涙が出るほど感動しました。
作品に登場するまわりの大人たちが
また素敵なんですよ。

ぜひ一読をオススメします。

 

さて、そんな高い志で「建築家」を目指す
小学生たちの純粋な夢を
「建築士」という言葉で勝手にくくるなんて、
やっぱり納得いかないから、 

語らせてもらいます。

 

そもそも「建築士」という資格の名前が、
職業として扱われている点が
私にとってはハテナなんですよ。

 

医師とか弁護士だったら、
資格=職業として扱っても納得できるよ?
(医師や弁護士の免許を持っている方からしたら
「違う!」っておっしゃるのかもしれないけど)

 

「建築士(7位)」であり「会社員(5位)」でもあり
「(日曜)大工(18位)」であり
「ユーチューバー(6位)」であり
「エンジニア(27位)」と呼べなくもない
そんな私から言いたいことはつまり

 

「建築士って職業じゃないよ」
ってことです。

(ここでやっと、この記事の真ん中あたりです。長くてスミマセン)

 

建築士の資格を持っていないとできない仕事、
あるいは持っているとできる仕事はあるけど、
それは建物の設計だけじゃないんですよ。


建築士について扱ういろいろな法律で
許される業務は建築の設計の他にも

工事監理(図面通りに現場が進んでいるか確認すること)

建設業法上の専任技術者(いわゆる現場代理人)

行政手続きの代行(開発許可や定期調査報告)

建築主事(建築確認をする公務員)

といった業務が建築士を所持していると
できることになっていますし、
現場監督や検査報告の代行だけを
生業にしている建築士も大勢います。


あと、法的には資格が必要ないけど
建築士のスキルが求められる仕事として
役所や企業の営繕担当業務だったり、
資格は持ってるけど建築とは関係ない職業に
ついているペーパー建築士もいます。

 

建築の設計以外の仕事を生業とする建築士が
本当にたくさんいるので
「建築士」「建物の設計者」でもないし、
もちろん「建築士」「建築家」でもありませんから、
混同されるとモヤモヤするんですよね。

 

でも、「建築家」になる(名乗る)には
「建築士」の資格が必要なんだから、
別に間違ってないだろうって?

 

 

確かに「建築家」を名乗るには「建築士」
必須の資格ですけど、
(※建築士でない人が建築士に似た紛らわしい名称を用いると
建築士法に抵触する可能性があります)
それは「トラックドライバー」になるのに
「運転免許」が必須なのと一緒です。

 

 

「運転免許」があれば郵便屋さんにもなれるし
営業マンにもなれるのと同様、
「建築士」という資格の名称が
建築の設計者という仕事の内容を
表すものではないんです。

 

だから、なんでもかんでも
「建築士」に統合していいのかって
疑問に思っちゃうんですよ。

 

そもそも、統合するならですね、
建物の設計に携わっている建築士だって
その大半は設計事務所や建設会社、
ハウスメーカーや工務店の

「会社員(5位)」なんですよね。

 

そんなこと言ったら
「ゲーム制作関連(4位)」も
「鉄道関連(12位)」も
「パイロット(15位)」だって

みんな「会社員(5位)」か…

 

「警察官(11位)」や「消防士(30位)」だって
「公務員(18位)」だし…

 

「恐竜学者(40位)」も「昆虫学者(40位)」も
「海洋生物学者(50位)」も
「古生物学者(68位)」も
「生物学者(45位)」に入りそうだし、

 

「医学研究者(68位)」、「薬学研究者(68位)」、
「天文学者(68位)」もあわせて
「科学者・研究者(10位)」に含まれるんじゃないか

ってなるか…
もうわけわかんないや…

 

やっぱり統計の取り方は
日本FP教会さんにお任せします。

 

最後に、設計事務所と建設会社の設計部と、
組織の営繕担当部にそれぞれ数年勤めた
「建築士」のはしくれから、
建築を志す子ども達へ一言

 

将来、たとえ建築に携わる仕事に
就かなかったとしても、
建築に興味を持つことで得た知識と経験は、
きっと仕事だけでなく、
人生も豊かにするでしょう

 

と言ってみたところで、
小学生がこのブログ見るのかな

 

「建築士」という資格は
あくまで手段でしかないのだから
是非、資格取得を目指すのではなく
若いうちから世の中の建築を見て、よく考えて
未来における社会と建築、
人と建築とのかかわりについて
ビジョンを示せる「建築家」
目指してほしいと思います。

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昔、先生に教わったんですよ

「建築士」という資格は
「足の裏の米粒」のようなものだってね
「取っても食えない」でも「取らないと気持ち悪い」


なにより,建築士の試験制度がもう
かなり古臭いんですよ 
本来,建築の実務で必要になるような
「知識を統合し,課題解決を模索する能力」
なんて不要で,学科試験はただひたすら
受験のための勉強をするだけですからね

時間があったので学科は独学で勉強しましたが
独学と言うか教材の問題を繰り返し解いて
問題を解くスピードを鍛えただけです

 ↓問題集を3回くらい解いたら十分です

1級建築士 分野別厳選問題500+125

1級建築士 分野別厳選問題500+125

 

学生の頃は建築の勉強ってそれなりに
面白かったはずなんですが
この受験勉強は本当につまらなかった
私にとっては苦痛な時間でした

まあ,製図の試験の方は設計者に対して
最低限求められる情報処理能力は計れる
とは思いますけどね
でも,CADもBIMも普及した現在
手描きで図面を仕上げる必要性はハテナです
壁厚とか柱と壁の取り合いとか
丁寧に包絡線にする必要があるのでしょうか

と思っていたら2020年以降の施行に向けていよいよ法改正が動き出しました

あくまで私個人の感想ですけど
建築士の資格取得のための努力と
建築の実務に必要なスキルとは
結構ずれてるので
ただの資格者としての建築士なんか
目指したってしょうがない
って思います

資格はなくても建築に対して
提言を行える立場はいっぱいあるし、
「大工」を目指したっていいよね。

でも肉体労働を避ける意志が働いてか、
順位がどんどん降下していくのは
ちょっとさみしいな。


同じく屋外での仕事である農家が50位なのは
国として由々しき事態だと思うけど、

それはまた別の話で。