猫と肉球建築士

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~猫たちへささげるDIYブログ~
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3-2 建築士が自宅を設計するために必要なこと

【肉球建築士による自宅設計シリーズ】はじめました

www.its-cue.com

といってから、5か月が過ぎましたが、やっと一つ目の投稿です

もう10年前になりますが、2016年に自宅の新築の際に自分で設計した時のことをつづっていきます

最高に楽しかった!
大変だけど、やってよかった!

その体験を綴ります
(※この記事は、建築士の方向けな部分が多く含まれます)

 

申請手続きや工事の際に必要となるおよそ全ての図面と書類を自分で作成し
作った図面は40枚ほど

その他に工事の際に打合せで作った図が10枚ほど
仕事から帰って深夜まで自宅で設計していた時間はとても楽しかったです

 

工事が進み、完成が近づくと

「ああ、これで収まりを考えたり図面を作ることも終わりか、寂しいな…」

「もう一度ゼロから設計したいな…」

と思う程に楽しい時間でした
あんまり楽しかったので、完成後の私はしばらく燃え尽きていました

 

ただ楽しいだけではなく、間取りや仕上げの選定、細部の収まりについては
これまで深く考えずに慣例に倣っていた部分も、改めて考えるきっかけになりました
本当に素晴らしい体験ができたと思っています

 

あなたも建築士の資格をお持ちであれば是非オススメします
自宅を設計しましょう

そのプランが今すぐには実現しなくても
いざという時の引き出しとして、きっと役に立ちます

 

建築士の資格をお持ちでないなら、相談できる建築士を探しましょう
さすがに現代において無資格で自宅を設計するのはハードルが高いです

 

一級建築士であっても、自宅を設計するには
乗り越えなくてはならないハードルがいくつかありました

 

1.建築士事務所登録が不要なのか、はっきりさせる

2.作図と打合せの時間を確保する

3.設計を始める前に土地を見つけて仮押さえ、または購入の資金を準備する

4.クセの強い設計でも対応してくれる建設会社を見つける

5.一般的な木造(在来軸組工法)の収まりを理解する

 

主に上記の5つのハードルがあると思います
※土地探しとか予算の確保については自分で設計するしないに関わらず、自宅の建設に必須の課題なのでここでは省略します

 

長くなるので、今回は「1.事務所登録」と「2.時間の確保」に絞ってお話します。

 

1.建築士事務所登録が必要なのか

結論から言うと、建築士自身が自宅の設計を行うなら事務所登録は不要でした
念のため、建築士の業務に関ってくる建築士法という法律の話をしておきます

建築士法の第23条には
「建築士が「他人の求め」に応じて報酬を得て、建築の設計や監理などを「業」として行う時には、事務所を定めて県知事の登録を受けなければならない」

とあります。
建築確認申請の申請書欄には建築士と建築士事務所の情報は
セットで記入するようになっています。

私は既に会社の建築士事務所に所属していますが、会社には頼まずに自分で設計します
建築士事務所の欄を空欄にして、設計者欄に私個人の名前を記入することになりますが
それでいいのか、役所に問い合わせてみました。

 

Q:今回は「他人の求め」ではなく「本人の願望」なんですが
それと、建築の設計を「業として」行うつもりもないんですが

 

A:建築主と設計した建築士が同一人物だということですね
それなら建築士事務所登録は不要ですよ

 

正直、かなりホッとしました。

 

ということで、建築士事務所登録がなくても
自宅を設計することはできるという確証が得られました

 

※今回はあくまで「自分の家」だから許されるということを忘れないでください
他人の家を報酬を得て繰り返し設計するなら事務所登録が必要です
あと、建築士に指示をして設計させるとか再委託を受けるとかの場合も
事務所登録が必要ですのでお忘れなく

 

更にもっと突っ込んだ話をすれば、普通の規模で自宅を設計するだけなら
建築士の資格がなくても法律上は許されています

 

ただし、設計された建物は建築基準法を満たす必要が有りますし

建築確認申請の際に建築士の設計による審査の一部免除(2016年当時の四号特例、2026年現在では範囲が絞られた三号特例)が受けられないので、耐震性などの構造に関する審査がより厳しくなります

レアなケースでは都市計画区域の外で建築確認申請が不要な敷地もありますが、あくまで届出が不要なだけで、建築基準法は守らなければいけませんから誤解なきよう

 

2.作図と打合せの時間を確保する

自分で設計しようと思いたったなら、時間が取れるかが一番の問題だと思います
私の場合、まだ子どもがいなかったことと
仕事の忙しさが落ち着いていたことが大きかったです
少し前までは仕事が忙しくて深夜2時に帰宅、6時に出社なんて生活でしたが
その頃から不動産サイトを覗いたり、チャンスは絶えず伺っていました

 

平日は昼休みに好きな建築家の作品集を凝視したり、間取りを考えたり
出先でも思いついた間取りをすかさずメモ帳に残しておいて
夜は帰宅後ひたすらCADで作図(2~3時間)
土日には妻と住宅設備のショールームを巡ったり
また別のショールームを見学したり、図面を書いたり・・・
そんな生活で3か月くらいかけて見積用の図面ができました

今振り返れば、設計が生活の一部というか、設計のための生活でしたね

 

そうした設計の最中に、試行錯誤したこととか、悩んでいたことについても振り返っていきます

次回は、順不同になってしまいますが、土地探しと外壁材の選定で何を考えていたかを書こうと思います